モーリンのアルト&スパイダー記

スズキ 新型アルトとSPYDER RTの長期テストを掲載中

記憶の中のサイドカー No.03

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  日本のTOYGUN界の重鎮、タニコバさんこと「小林 太三 (こばやし たぞう)」さんのエッセイに
  サイドカーに触れた一文があります。関係箇所を抜粋してみました。
 
 
 
 「午後9時ごろ、やっとまた一人のメカマニアに戻れる時間がやって来た。部屋に置いた車輪を外した
  旧いベスパの側車に入って、好きな本を読むか、録っておいたVTRを見る。
 
 
  女房は私のこの格好を見て、「ゆりかごに入った赤んぼみたい」と言うが、確かに このひとときが
  本当の自分でいられる時のようだ。  ・・・(中略)・・・
 
 
  やたらゴチャゴチャとつけられた、ただ高性能なだけのネバリの無い日本製バイクが世界中に幅を
  きかせている昨今、メンテナンスをバッチリやれる人間だけしか乗りこなせないベスパは、どう見ても
  今日的な実用車ではない。
 
  しかし内部を透視できるぐらいにマスターしてやると、こいつほど その独特の「味」を楽しませてくれる
  スクーターは無い。   ・・・(中略)・・・
 
 
 
  サイド・カーにしても同じだ。トランスポーターの中では、最も変則的な乗り物で、基本的に直進性に
  秀でた構造ではない。しかし、セッティングとコントロールをマスターしてやると、ちゃんとまっすぐ走り、
  他の3輪ではできないような小回りもやれるし機動性のある乗り物になる。
 
 
  私はこのへんの固有性がたまらなく好きで、ベスパ同様に良き友なのである。
 
 
  「こいつら」と同居するようになってから、たとえ「こいつら」に接する時が30分しかない日があっても、
  ストレスを翌日に持ち越すことは無くなった」
 
 
 
 
         おお、流石はタニコバさんだ。わかってらっしゃる。私もサイドカーを良き友にするとしよう。